2017年8月8日火曜日

The Leftovers シーズン1〜3の感想

HBO のドラマ "The Leftovers(ウィキの邦題は『LEFTOVERS/残された世界』)" 全シーズン(1〜3)観ました。

日本でも放映されたのかな?と調べてみたら、スターチャンネルでシーズン1・2がすでに放送され、シーズン3は今月29日から始まるそうです(S3の公式サイトはこちら)。

2014年に始まったこのシリーズ、本国では2ヶ月前に終了していますが、3シーズンと言ってもぜんぶで28話しかありません。

夫が「おもしろいらしい」と聞きつけて来て、「HBOを契約してるあいだに!」と、大急ぎで観てたんですが、ゆうべ観終わったので取り急ぎ感想を。


予告編↓



我が家では、夫が「これおもしろいらしい」と言い出して観始める、ということがけっこうあります。

言い出しっぺの夫が途中で飽きて観るのをやめてしまうことも多いんですが、 "The Leftovers" はなんとか最後までいっしょに観ました。

私は実はシーズン1の途中にひどい暴力描写があった時点で「もう観ない」と宣言したんですが(以前、ここにちらっと書いてました)、夫が「シーズン1だけは観よう」と珍しく言うのでしぶしぶ(?)観ることにして、結局ふたりとも先が気になって全部観てしまいました(笑)。

聖書や「神」という概念が出てくること(かなりおかしな解釈も多いけども)、エピソード数が少ないことも、お互い最後まで観られた要因だと思います。

ぜんぶ観といてアレですが、正直、「大好きなシリーズ」とは言いがたいし、「ぜひお勧め!」とも言えないです(^^;

ただ、俳優さんたちの演技は素晴らしいし、一話一話の作り方は映画っぽくておもしろいのは間違いないです。




以下、うっすらネタバレ含まれますのでご注意。
※細かいあらすじはありません


シーズン1



ここから始まりました↑

スターチャンネルの説明に、
「世界の人口の2%が突如消え去った世界で、残された人々の運命が動き出す。謎が謎を呼ぶミステリアスドラマがファイナルシーズンへ!」
とあるとおり、ほんとに謎だらけで何ひとつ解明されないまま終わってしまいます。が、原作の小説はシーズン1のぶんしかないらしいΣ(゚∇゚*)!!

原作はKindle版なら530円くらいなのでいずれ読んでみたいかも↓

翻訳版は見つけられなかった…


シーズン2


謎は増すばかりだけど、いろいろ動きがあって一番おもしろかったかも。
舞台はニューヨークからテキサスに移り、新キャラも多数登場。


シーズン3


最終シーズンということもあり、期待してたんですが…

う〜ん、なんか一部コメディっぽく感じてしまい、つまらなくはないけど、なんだかなあみたいなシーズンでした。

「10月14日の突然の人口消失はなんだったのか」、一応なんとな〜くだけど答えがあるのが救い。


シリーズ全体を通して思うこと


どこまでが現実なのか、どこまで妄想あるいは詐欺で、だれが狂っていてだれが正気なのか、最終的に結論が出ないというか、よくわからないお話でした。

ただ、こういう「世界の終わり」を扱うお話は大好きなので、コンセプトは興味深かったです。

※『ウェイワード・パインズ』『ウエストワールド』の内容にちょっと触れます

また、そこここに今まで観たことのあるドラマや映画の雰囲気に似たものを感じました。

たとえばシーズン2で「奇跡の町」的な扱いを受けるジャーデンは、『ウェイワード・パインズ』の逆パターンぽいと感じました。ジャーデンはみんなが入りたいのに入場制限があり、ウェイワード・パインズは出たいのに出られない。両方とも「ここは聖域」だと信じてる。

ほかに、町全体がミュージアム化していて入る時にオリエンテーションがあるのが『ウエストワールド』っぽいなと思うし。


ひとつ少し不思議だったのが、60年代〜80年代?の古い音楽ばかり使われていたこと。

昔の曲って好きなんだけど、この番組で流れてたのはいまいち好きじゃないタイプの曲が多くて残念。好きな曲ももちろんあったし、BGM一覧を作ったらおもしろいかもしれないです。ちなみに、音楽の担当者がファンなのか、サイモン&ガーファンクルが3曲くらいあったと思います。


今も残る謎


謎解きを見そこねただけかもしれないけど、今ぱっと思いつく未解決の謎、「あれはなんだったんだろう」と首をひねってしまう謎リスト:

  • ナショナル・ジオグラフィック(学術誌)の謎〜なにがそんなに重要?
  • 「死後の世界」にいた謎の男(S3でちらりと「神」ともらしてたけど、ほんとのところなんだったんだろう。まあ「死後の世界」そのもの、全部が謎だらけだけど)
  • 船にいた「神」と名乗る男(ただの詐欺師なの?)
  • ウェインが「かなえた」ケビンの「夢」とは?

どこかで説明されてましたかね?





それにしても、全体的にはだか率高いシリーズでした…。

一部以外はセクシャルなコンテクストではないんですが、そこでなぜ裸身を見せる?!と、脈絡なく説明もなく意味不明な場合もあるので、単にクリエーターの趣味なのかも?と疑ったりして(苦笑)。

『ウエストワールド』はぜんぜん違う意味ではだか率さらに高かったし、考えてみたら『ゲーム・オブ・スローンズ』『トゥルー・ブラッド』や Big Little Lies など、HBOのドラマに多いですよね。HBOが推奨してるのかしら(^^; 

制約が少ないケーブルだから、ネットワーク系より多いのは当然なんだけど…ケーブルでもウォーキングデッド(aMC)やベイツ・モーテル(A&E)やミスター・ロボット(USA)なんかでは少ない気がする(覚えてないだけかな)。


大好きじゃないと言いつつ、俳優陣はよかったのでいろいろまだ書きたいことあるんですが、同じくHBOのドラマ "Big Little Lies" も一気見して感想を書きかけているので、まずはそちらを(忘れる前に)終わらせてアップしたいと思います。


Posted on Tue. August 8, 2017

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1 件のコメント:

  1.  残っている謎については、精神異常と宗教がかった状態でのことなので、謎でも何でもなく客観的な意味はないかと思います。

     最後の旅立ち装置も描写的にただの詐欺であって、作中何度も繰り返し唱えて強調されて結局実践されてこなかった、ローリーの「精神が崩壊しつつある人に間違っていると言ってはいけない」を結果的に初めて実践したのがこの物語の締めくくりと解釈しました。

     この作品で旅立ちは、世界中どこへ引っ越して環境を変えてもその話題から逃れられない、何故起こってどういうものなのか遺族にも分からない災害を表現するための舞台装置であり、作品のスポットは異変の中心で活躍するヒーローではなくその他大勢の遺族に当てられていて、謎を追うとかはあくまで一遺族の範囲内でテーマ的にはどうでもよいことかと思います。

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