2017年8月29日火曜日

The Night Of

受賞は逃しているものの、ゴールデン・グローブでもSAGでも男優賞ミニシリーズ/テレビ映画部門でジョン・タトゥーロとリズ・アーメッドがともにノミネートされた HBO の "The Night Of"を先週見ました。

画像はFacebookよりお借りしました


来月授賞式のあるエミー賞でも同じふたりが主演男優賞にノミネートされたばかりか、作品賞にもノミネートされてます。

前からちょっと興味があって、「一話だけ」観てみようと思ったのに、結局3日で全8話観てしまいました。


以下、ネタバレありの感想をダラダラ書いてます。
細かいあらすじはなし。
いろいろ書きたいことがありすぎてきちんとまとめられなかった…。




内容を全く知らず、予告編も一切未見の状態で、いったいどういう方向にお話が進むのか見当もつかないまま観始めたためか、最初はちょっぴりスローに感じてしまいました。

しかし、1話めで主人公ナズ(リズ・アーメッド)が殺人事件に巻き込まれたところから、このあわれな青年がどうなってしまうのか先が気になって一気見してしまったのです。

と言っても、そのあとずっとその殺人事件を中心に物語が進むわけではありません。

弁護士ジョン・ストーン(ジョン・タトゥーロ)の湿疹との格闘や猫との関わりを含む私生活、ナズの両親、刑務所でのナズの周辺の人物などなど、ときに「あれ、ナズはどうなった?」と首をかしげてしまうほど。

ただ、私はお話に直接関係ないように見えるジョンと猫とのシーンは見ててほほえましく、先がどうなるのか気になってしまったほどでした。だから終わり方がとても好きです(あとで詳しく書きます)。






逆にすっごくイライラジリジリしてしまったのが人種差別と警察・検事の怠慢。

殺人事件だというのになぜもっと捜査しない?とか、ナズが殺害したなら返り血を全く浴びてないことを疑問に思わないのか?とか(着替えたんだとしたら血まみれの衣服が見つかるはず)突っ込みどころ満載だし。

ナズが血のついたナイフを持っていたなどといった状況だけでなく、「イスラム教徒=暴力をふるう者」という思い込みのせいで頭からナズが犯人だと決めつけてしまったために、突っ込んだ捜査をしなかったのかな?と思ってしまいます。


事件を担当したベテラン刑事ボックスも、ナズの裁判が進み、自分が定年退職したあとになってようやく監視カメラの映像を再確認して新たな発見をし、そこから真犯人を突き止めるわけですが、なんでそれをもっと早くしない?とイライラ。

しかも、ボックスがすぐに検事に報告するところまではいいけど、検事は「(証拠はこれだけ?)ナズのほうがもっとたくさん物証があるわ」とバッサリ。

その瞬間、あごがはずれそうなほどビックリ&イラっ、と同時に「検察ってこんなもんなの?!真実はどうでもいいの?!」と憤りを覚えました。


変わっていくナズ


もうひとつイライラというか、焦りを感じたのは、無実の罪で刑務所に入れられてしまったナズがだんだん変わっていくところ。

タイトルの "The Night Of" って、もしや…「無実の罪を着せられた男が、実際に犯罪者への道をたどることになった夜」って意味なの?!とビクビクしてました(笑)。

だって、最初は「守ってもらう」立場だったナズが、刑務所の中でだんだん筋肉をつけ、麻薬に手を出し、刑務所内に持ち込む手助けを進んでするようになり、自分に怪我をさせた男を半殺しの目にあわせてしまったり、新入りに「守ってやれる」なんて言ったりするんですもん。

このナズの変化がいちばん怖かったかも。

ちなみにナズ役のリズ・アーメッドは2016年の放映当時すでに33歳ですが、なんと23歳?の学生の役でした。それでもあまり突拍子もないキャスティングに見えなかったので、もしこのドラマで初めて彼を見たとしたら何の違和感も持たなかったかも。

ただ、ナズの両親役の役者さんたち、リズ・アーメッドとは10歳くらいしか離れてなくて、さすがにちょっと若すぎるように感じたかな。


ジョンとねこ


前述のとおり、終わり方は最高でした。

ナズの件が終わって自分のアパートに戻ったジョン・ストーンがぼんやりテレビを見ていると、動物愛護団体のコマーシャルが流れている。

それを見て「やっぱりあの猫を取りに行こう」と思うのかな〜、なんて予想してたら…

次の依頼人からの電話でジョンがアパートを出た直後、とっとっと…と、

あのねこがふつうに廊下を横切るではないですか!(爆笑)

みゃお〜という、のんびりしたねこの声で終わるっていうのが最高です(*´▽`*)



このねこ、実はナズの巻き込まれた殺人事件の被害者が飼っていたねこで、たまたまジョンが拾ってしまったもの。

ねこアレルギーのあるジョンは、自分では飼えないのでまずは施設に持って行き、そのあと手当たり次第「ねこいらないかい」と聞いて回ります。

飼ってくれる人が見つからず、処分される直前に引き取りに行って自分のアパートに連れ帰り、一室をねこ部屋にして閉じ込めておくのですが…また施設に持って行ってしまいます。

そのあとどうなったのか、この最後のシーンまで視聴者にはわからないので、ねこが出て来て安堵の笑いを誘うような作りになってるっていうわけです。

もう部屋に閉じ込められていないってことは、ジョン、開き直ったんですかねぇ(笑)。

ねこ好きなので長々語ってしまいました(笑)…もしシーズン2があるとしたら、ぜひまたこのねこちゃんとジョンとのシーンが見たいです(*´▽`*)


しかし、8月29日現在、私の知る限りでは更新はされていないようです。最初から単発のミニシリーズのつもりだったようですね。もとになっているイギリスのTVドラマ "Criminal Justice" は一応2シーズンあったようですが。

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●ウィキペディア(英語)のページ:
The Night Of
Criminal Justice(もととなったイギリスのドラマ)

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<余談>
"The Magicians" のクエンティン(役の人)がカメオ程度に顔出してて笑ってしまいました。The Magicians では大学院生の役なのに、弁護士だか検事だかの役で神妙にしてるので…(笑)。


ゴールデングローブもSAGもノミネートで終わったジョン・タトゥーロとリズ・アーメッド、果たしてエミー賞ではどちらかが受賞なるか。どちらも甲乙つけがたいので、両方受賞でなければフェアじゃないような気もするけど、同じ部門でのノミネートだしね。

やっぱロバート・デニーロかな?ドラマ、観てないけど。


Posted on Tuesday, August 29, 2017

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